習い事をやめたいと言われたら|発達障害の息子と「今やめたら全部忘れる」の言葉に迷った私が考えたこと
「習い事やめたい」と言われたとき、続けさせるか、やめさせるか。「今やめたら全部忘れますからね」という言葉がずっと引っかかっていた、自分もADHD当事者の母が、やめる前に確かめたいことと、やめると決めたあとの声かけをまとめました。
「もう、やめたい」
子どもにそう言われたとき、すぐに「いいよ」と言えますか。
私はいつも、言えずに迷ってしまいます。
息子はADHDとASDが併存していて、これまでいくつかの習い事を、続けられずにやめてきました。
そのたびに、「ここでやめさせていいのかな」「続ける力が育たないんじゃないかな」と、ぐるぐる考えてきました。
実は私自身もADHD当事者で、子どものころから、続けることがとても苦手でした。
だからこそ、息子の「やめたい」を聞くと、昔の自分を見ているような気持ちになります。
この記事では、習い事をやめるかどうか迷ったときに、私が考えてきたことを書いてみます。
正解を決める記事ではありませんが、同じように迷っている方の考えを整理するきっかけになればうれしいです。
「今やめたら、全部忘れますからね」という言葉
習い事をやめることを考えていたころ、言われた言葉があります。
「今辞めたら、全部忘れますからね」
言った人に悪気はなかったのだと思います。
でも、この言葉は、そのあとずっと私の頭の中に残りました。
息子が「やめたい」と言うたびに、この言葉が浮かんでくるんです。
ここでやめたら、今までのお月謝も、送り迎えの時間も、息子ががんばった時間も、全部なかったことになってしまうのかな。
そう思うと、やめさせることが、とても悪いことのように感じました。
今振り返ると、あの言葉は私にとって、ちょっとした「呪いの言葉」のようなものだったのかもしれません。
本当に「全部」忘れてしまうのか、考えてみました
時間がたってから、あらためて考えてみました。
習ったことを使わなくなれば、できていたことが少しずつ抜けていくのは、たしかにあると思います。
でも、習い事で子どもが持ち帰るものは、技術だけではないですよね。
- 新しい場所に行ってみた経験
- 知らない先生や子どもと過ごした時間
- 「これはできた」「これは苦手だった」という自分についての手がかり
こういうものは、やめたからといって、ゼロになるわけではないのかなと思います。
それに、つらい気持ちのまま通い続けた記憶も、子どもの中には残ります。
息子のように、学校で「ぼくはダメな子」と口にしていた時期がある子にとっては、「がまんして通った記憶」より「自分で選べた記憶」のほうが、あとあと支えになることもあるのではないかと、今は思っています。
発達障害のある子の「やめたい」の裏にあるもの
息子の「やめたい」を何度か聞いてきて、気づいたことがあります。
それは、「やめたい」の理由が、やる気や根性の話ではないことが多い、ということです。
感覚的にしんどい
息子は大きな音やガヤガヤした場所が苦手です。
教室の音、においや人の多さなど、本人にとってはがまんの連続になっている場合があります。
ペースが合わない
集団で同じペースで進むレッスンだと、ついていけずに置いていかれたり、待ち時間が長くて退屈したりすることがあります。
失敗するのがこわい
息子はASD側の特性として、完璧主義なところがあります。
「うまくできないくらいなら、やりたくない」という気持ちが、「やめたい」という言葉になって出てくることもあります。
学校で、もう疲れている
学校で一日がんばってきたあとは、それだけでくたくたになっている日もあります。
習い事そのものが嫌なのではなく、放課後にもう一つがんばる余力が残っていないということもあるのかなと思います。

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やめる前に、確かめておきたいこと
すぐに続けるかやめるかを決める前に、私が確かめるようにしていることがあります。
理由を聞くときは、「なんで行かないの」ではなく、「どんなところが嫌だった?」と聞くほうが、子どもは答えやすいように感じます。
うまく言葉にできない子も多いので、「音?」「先生?」「疲れてる?」と、選べる形で聞いてみるのもいいかもしれません。
先生に相談すると、こちらが思ってもいなかった工夫を提案してもらえることもあります。
休会の仕組みや退会の手続きは教室によって違うので、気になったら早めに確認しておくと安心です。
やめると決めたら、伝えたいこと
いろいろ確かめたうえで、やめると決めることもあると思います。
そのときに、私が気をつけたいと思っているのは、「やめる=失敗」にしないことです。
ここまで通ったの、すごいことだよ。
合わないって分かったのも、大事なことだと思うよ。
また、やってみたいことが見つかったら教えてね。
こんなふうに、通ったことそのものを認める言葉をかけてあげられたらいいなと思っています。
それから、親の自分を責めすぎないことも大事かなと思います。
私も、息子が習い事をやめるたびに「選び方が悪かった」「私が続けさせられなかった」と落ち込んできました。
でも、合わない場所が分かるのも、合う場所を見つけるための一歩だったと、今は思えるようになりました。

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続けるか、やめるか迷ったときの私の目安
最後に、私が迷ったときに考えるようにしている目安をまとめておきます。
| 様子 | 私の考え方 |
|---|---|
| 行く前は嫌がるけれど、帰ってくると楽しそう | 行くまでのハードルを下げる工夫をして、もう少し様子を見る |
| 特定の場面だけが嫌そう | 先生に相談して、その場面を変えられないか聞いてみる |
| 習い事の日だけ、体調や寝つきが悪くなる | 無理に続けず、お休みかやめることを考える |
| 家でも荒れる、学校にも行きたがらなくなってきた | 習い事より、まず休むことを優先する |
もちろん、これは我が家の場合の目安で、子どもによって合う判断は違うと思います。
大事なのは、親の「もったいない」より、子どもの今の様子を見て決めることなのかなと思っています。
まとめ
- 発達障害のある子の「やめたい」は、やる気ではなく、感覚のしんどさやペース、失敗へのこわさ、学校での疲れが理由のことがあります
- 「今やめたら全部忘れる」と言われても、習い事で得た経験がゼロになるわけではないと私は思っています
- やめる前に、理由を聞く、先生に相談する、クラスや時間を変える、休会できるかを確かめてみるのがおすすめです
- やめると決めたら、通ったことそのものを認めて、「やめる=失敗」にしない声かけをしてあげたいです
- 親の「もったいない」より、子どもの今の様子を見て決めるのがいいかなと思います
「やめたい」と言われると、親のほうが不安になりますよね。
私もまだ、毎回迷いながら決めています。
でも、やめることも、子どもが自分に合う場所を探していく途中の一歩なのかもしれません。
同じように迷っている方の気持ちが、少しでも軽くなったらうれしいです。


