スクラッチは何歳から?公式の対象年齢と、発達障害のある息子が小3で始めてちょうどよかった理由
スクラッチは何歳から始められるのか、公式が示している対象年齢と、ScratchJrとの違いをまとめました。ADHDとASDのある息子が小3で始めて続いた経験から、年齢よりも大事だった3つの条件も書いています。
「スクラッチって、何歳からできるんですか」
プログラミングが学校の授業に入ったと聞いて、うちも何かやったほうがいいのかなと思ったとき。
私がいちばん最初に検索したのが、まさにこの言葉でした。
スクラッチは無料で、パソコンとインターネットがあればその日から始められます。
始めるためのハードルが低いぶん、「うちの子にはまだ早いのか、もう遅いのか」の目安がわかりにくいのですよね。
とくに発達に特性のあるお子さんの場合、「同じ学年の子ができていることが、うちはまだ難しい」という場面を何度も見てきているぶん、年齢の数字だけで判断しづらいところもあると思います。
この記事では、まず公式が示している対象年齢を整理して、そのあとに、うちの息子(ADHDとASD併存)が実際に始めた時期の話を書いていきますね。
公式が示しているのは「8歳から16歳」
スクラッチの公式サイトには、対象年齢についてこう書かれています。
ポイントは、8歳から16歳が「上限と下限」ではなく「特に想定している年齢」だと書かれているところかなと思います。
8歳というと、小学2年生から3年生あたりですね。
ローマ字やキーボードに少しずつ触れはじめて、画面の中の説明も自分で読めるようになってくる時期です。
スクラッチはブロックを組み合わせて作る仕組みなので、文字を打ちこむ量は多くありません。
ただ、ブロックに書かれた日本語を自分で読んで意味をつかむ場面はどうしても出てくるので、そのあたりが8歳という数字の背景にあるのかなと感じています。
5歳から7歳向けには ScratchJr がある
「まだ小学校に上がったばかりで、8歳には届いていない」という場合の選択肢として、ScratchJr(スクラッチジュニア)があります。
こちらはスクラッチの開発チームもかかわってつくられたもので、5歳から7歳の子ども向けと案内されています。
いちばん大きな違いは、ブロックに文字ではなく絵が描かれていて、まだ字が読めない子でも作れるようになっているところです。
iPad や Android のタブレット、Chromebook で使える無料のアプリなので、パソコンの操作にまだ慣れていないうちは、こちらから入るほうが負担が少ないかもしれません。
| ScratchJr | Scratch | |
|---|---|---|
| 想定年齢 | 5歳から7歳 | 8歳から16歳 |
| ブロックの表示 | 絵(文字が読めなくても可) | 文字 |
| 使う機器 | タブレット、Chromebook | パソコン、タブレット |
| 費用 | 無料 | 無料 |
年長さんや小学1年生のうちに触らせてみたいということであれば、ScratchJr から入って、読める字が増えてきたころにスクラッチへ移る、という流れが自然かなと思います。
わが家は小3で始めました
ここからは、うちの話です。
息子がスクラッチに本格的に触れはじめたのは、小3の春でした。
そのころ通っていたものづくり系の教室で、スクラッチを使うようになったんです。
公式の目安でいえば8歳をすぎたころなので、いわゆる「ちょうどの年齢」ではありました。
ただ、正直に言うと、私はそのタイミングを狙って始めたわけではありません。
もっと早く始めさせておけばよかったのかな、と思ったこともあります。

小3でちょうどよかったと、今は思っている3つの理由
結果として、うちの場合は小3という時期がよかったのだと思っています。
理由を3つに分けて書いてみますね。
1. 学校で自信をなくしていた時期と重なっていた
息子は小1の秋にADHDの診断がついて、小2から通級指導教室に通いはじめました。
小2から小3にかけては、学校でうまくいかない場面が続いて、「ぼくはダメな子だから」が口ぐせになっていた時期でもありました。
そこにスクラッチが入ってきたのが、たまたま良かったのだと思います。
自分が作ったものが画面の中で動く、というのは、はっきりした「できた」なんですよね。

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2. 説明を最後まで聞けるようになってきていた
小1のころの息子は、席を立つことも、途中で話を聞くのをやめてしまうことも多い子でした。
小3になるころには、通級に通いはじめたこともあってか、「まず聞いてから、やってみる」がほんの少しできるようになっていました。
スクラッチは自由に作れるぶん、最初の手順だけは説明を聞かないと前に進めません。
もし小1のタイミングで始めていたら、最初の10分でつまずいて、そのまま嫌いになっていた可能性もあったと思います。
3. 「好きなものを作りたい」が本人の中に育っていた
小3ごろになると、好きなゲームや動画の話が具体的になってきました。
こういうのを作りたい、という中身が本人の中にあるかどうかは、続くかどうかにかなり効いてくるように感じます。
作りたいものがない状態で道具だけ渡されると、自由度の高さがそのまま迷子になるので、そこは何歳であっても同じかなと思います。
年齢よりも、そろっていると続きやすかった3つの条件
ここまで書いてきて思うのは、年齢の数字そのものより、次の3つがそろっているかどうかのほうが大きかった、ということです。
1. マウスやタップの操作で、いらいらしすぎないか
ブロックをドラッグして重ねる操作が、スクラッチの土台になります。
手先の操作でつまずくと、内容に入る前に疲れてしまうので、ここは先に見ておくと安心かなと思います。
タブレットのほうが操作しやすい子もいれば、マウスのほうが正確に置ける子もいて、そこはお子さんによってずいぶん違います。
2. ブロックの日本語が、なんとなくでも読めるか
全部を正確に読める必要はありません。
「うごかす」「くりかえす」といった言葉が、なんとなくの意味でつかめていれば十分だと思います。
読むのがつらそうなら、ScratchJr から入るか、大人が横で読み上げる形にすると負担が減ります。
3. うまくいかないときに、いったん止まれるか
これは発達に特性のあるお子さんだと、いちばん気になるところかもしれません。
思ったとおりに動かない場面は、必ず来ます。
そのときにかんしゃくになってしまうこともありますが、それ自体は失敗ではないですよ。
「動かない」を一緒に見てくれる人が横にいるかどうかのほうが、年齢よりずっと大事だったなと、うちを見ていて思います。
早く始めたほうがいいのか、待ってもいいのか
「8歳が目安なら、8歳になったらすぐ始めたほうがいいですか」と聞かれたら、私は「急がなくても大丈夫だと思います」とお答えすると思います。
スクラッチは無料で、いつ始めても費用の面で損をすることがありません。
学校でも高学年でプログラミングに触れる機会があるので、家庭で先取りしていないと置いていかれる、という性質のものでもないように感じています。
それよりも、本人が「作りたい」と言ったときにすぐ渡せる状態にしておくほうが、結果的に続くのかなと思います。
逆に、年長さんや小1のうちからでも、本人が興味を示しているなら ScratchJr で触れておいて損はありません。
早い遅いというより、その子の「今」に合うほうを選ぶ、くらいの感覚でいいのだと思います。
何歳から始めても、つまずく場所は同じでした
最後にひとつだけ。
うちが小3で始めてみて感じたのは、年齢に関係なく、つまずくのは「始めた翌日」だったということです。
初日は「キャラクターが動いた」で大よろこびするのに、2日目には何をすればいいかわからなくなる。
これは8歳でも10歳でも同じで、年齢を待ったからといって自動的に解決するものではありませんでした。
そのあたりの具体的な進め方は、別の記事にまとめています。

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私自身もADHDがあって、新しいことを始めるときに「今がベストなタイミングなのか」を考えすぎて動けなくなるタイプです。
でも、スクラッチに関しては無料で、やめるのも自由なんですよね。
合わなかったら閉じればいいくらいの気持ちで、まず1回ひらいてみるのでも十分だと思いますよ。
まとめ
- スクラッチの公式は「特に8歳から16歳向け」と案内している
- 5歳から7歳向けには、絵のブロックで作れる ScratchJr がある
- どちらも無料で、始めるための費用はかからない
- わが家は小3の春から始めて、学校で自信をなくしていた時期の支えになった
- 年齢よりも、操作でいらいらしないか、言葉がなんとなく読めるか、うまくいかないときに横にいる人がいるか、のほうが続くかどうかを分けていた
- つまずくのは「始めた翌日」で、これは年齢を待っても変わらなかった
何歳から、という問いに公式の数字はありますが、それはあくまで設計上の目安です。
その子が「作りたい」と思ったときが、その子にとっての始めどきなのだろうなと、今は思っています。
もし今日ひとつだけやるとしたら、スクラッチの画面をひらいて、猫のキャラクターを10歩だけ動かしてみる。
それくらいで、十分な一歩ですよ。


