【実体験】わが子がADHDと診断されるまで — 違和感から診断までの全工程
「うちの子もしかしてADHD?」と感じてから、実際に診断が出るまでにどんなステップを踏むのか。担任からの指摘、スクールカウンセラー、小児科、療育センター、医師の診察まで、当事者の親の視点でリアルに記録します。
「うちの子もしかして…」と感じている親御さんへ
うちの息子(現在小4・10歳)がADHDと診断されたのは小1の夏。違和感を持ち始めてから診断までは、年単位の道のりでした。今同じ位置にいる方の参考になればと、当時の流れを全部書きます。
「他の子と比べて落ち着きがない」「先生から何度も電話がかかってくる」「毎朝登園・登校で泣く」――そんな小さな違和感が積み重なって、「もしかして発達特性があるのかも」と考え始める親御さんは少なくありません。
でも、実際に診断にたどり着くまでには、複数のステップがあり、なかなかゴールが見えにくいのが現実です。
この記事では、私が息子のADHD診断までに歩んだステップを時系列で全部公開します。あくまで一例ですが、「次に何をすればいいか」が見えるようになるはずです。
ステップ1:違和感が積み重なる時期(保育園 年中〜年長)
最初に「あれ?」と感じたのは息子が年中の頃。保育園の先生から少しずつ気になる話が出始めました。
- ちょっかいを出す
- 並んで座れない
- ゲームで勝たないと気が済まない
- 登園のたびに泣く
最初は「気の強い男の子あるある」で済ませようとしていました。でも年長に上がる頃には、ほぼ毎日誰かとトラブルが起きるように。
〇〇くん、市の療育センターに相談してみるのも一つの選択肢ですよ
担任の先生から具体的にこの言葉が出たのは、年長の終わり頃。それでも私は「小学校に上がれば落ち着くかも」と決心がつかず、相談には行きませんでした。
ステップ2:小学校で問題が顕在化(小1の春)
小学校入学後、ゴールデンウィーク明けから一気に問題が顕在化しました。
- 登校班でトラブル
- 授業中に立ち歩く
- クラスメイトのお母さんから直接クレーム
授業参観のたびに、夫婦で謝って回る日々。何より辛かったのは、息子自身が「自分はダメだ」と感じ始めていたのが見て取れたことでした。
目つきが険しくなり、感情的に反抗することが増えました。本人だってトラブルを起こしたくて起こしているわけじゃない。でも自分でコントロールできない。怒られる。嫌われる。そしてまたやってしまう。
この負のループを止めないと、子どもの自尊心が壊れていく。そう実感した時、ようやく行動を起こす決心がつきました。
ステップ3:スクールカウンセラーに相談(小1の春〜夏)
最初に相談したのは、小学校に常駐しているスクールカウンセラーでした。
スクールカウンセラーは無料で利用できる学校付属の相談窓口。担任とは違う第三者の立場で話を聞いてくれます。
私の場合、カウンセラーが担任に「席の配置を一番前にしてほしい」「指示は短く具体的に」など、具体的な配慮を伝達してくれました。担任の対応が変わったのを実感しました。
ただ、スクールカウンセラーは医療的な診断はできません。次のステップが必要です。
ステップ4:かかりつけ小児科に相談(小1の夏)
予防接種で小児科に行った時、何気なく「実は学校で…」と話してみたら、医師から思わぬ言葉が。
本人も相当困っているはずですね。療育センターに相談した方がいい。紹介状を書きます。
この紹介状が、後々の流れを劇的に変えました。
ステップ5:療育センターの予約と待機期間(小1の夏〜秋)
紹介状を持って、市の療育センターに電話予約。
療育センターは自治体ごとに設置されている、発達相談・支援の専門機関。発達検査や医師の診察を受けることができます。
ただし、小児科の紹介状があると優先順位が上がることが多いです。私の場合、本来は半年待ちだったところ、紹介状のおかげで1ヶ月で初回面談に進めました。
待機期間中もサポートを受けられる
医師の診察を待つ間も、療育センターには以下のサポートがあります。
- ソーシャルワーカーとの面談
- 心理士・保育士による個別相談
- 地域集団への訪問支援
- 親向けの講座・グループ
「待つだけの期間」ではないことを知っておくと、気持ちが楽になります。
ステップ6:ソーシャルワーカーとの面談(小1の秋)
療育センター初回は、ソーシャルワーカーさんとの面談から。
私は保育園からのトラブルの経緯、毎日の謝罪、眠れない夜、それでも愛している息子のこと――全部を一気に話しました。
話しながら、涙が止まらなくなりました。
それまで誰にも本音で相談できなかったんです。「子育てが下手だから」と責められる気がして。でも、ソーシャルワーカーさんはこう言ってくれました。
一人で抱え込んできたんですね。ここに来てくれて、よかった
「自分だけじゃなかった」と初めて思えた瞬間でした。発達相談に行くことは、子どものためだけじゃなく、親自身が救われる場でもあるのだと知りました。
ステップ7:医師の診察と診断(小1の冬)
ソーシャルワーカー面談から数ヶ月後、医師の診察に進みました。
事前に渡される問診票・行動調査票がかなりボリュームがあります(過去の発達経過、家庭での様子、学校での様子など)。
医師の診察は1時間ほど。子どもの様子を観察しつつ、親への質問が中心。診察結果として、息子はADHDと診断されました(のちにASD=自閉スペクトラム症の併存も判明)。
ステップ8:診断後の対応
診断が出た後の選択肢は、いくつかあります。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 通級指導教室 | 週1回、半日、少人数で個別支援を受ける(公立学校内) |
| 服薬 | インチュニブ・コンサータなど、医師判断で処方 |
| 個別支援計画 | 学校・通級・家庭で支援方針を共有 |
| 民間の習い事 | リタリコワンダーなど、特性理解のある場所 |
| ペアレントトレーニング | 親が子への接し方を学ぶ講座 |
うちは通級・服薬・民間の習い事を組み合わせる形になりました。
特に「学校の外で『得意』を伸ばせる場所」を持てたことは、子どもの自尊心の回復に大きく貢献しました。詳しくはわが子がリタリコワンダーに通って変わった3つのことで書いています。
親の心の整理
ここまでのステップを進める中で、親側にも色々な感情が湧きます。
- 「自分の育て方が悪かったんじゃないか」という自責
- 「障害」という言葉への抵抗
- 周りに話せない孤独感
- 将来への不安
私も全部経験しました。でも、診断は「ラベル」じゃなく「子どもを理解する手がかり」だと、振り返って思います。診断があったからこそ、適切な支援につながれた。
「診断を受けたら子どもが傷つくんじゃないか」と心配する方もいます。でも実際には、診断によって本人も「自分のクセが分かって楽になった」と感じることが多いようです(年齢やタイミングによります)。
同じ立場の親御さんへ
この道のりを歩む中で、私が一番伝えたいことは1つだけ。
「動き始めるのに遅すぎることはないけど、早すぎることもない」「もう少し様子を見てから」「小学校に上がれば変わるかも」と先送りしがちですが、動き始めて損することは何もありません。診断が出なければ「気にしすぎだった」で済むし、診断が出たら適切な支援につながれる。
最初の一歩として一番取りやすいのは、スクールカウンセラーまたは小児科医です。すでに普段関わりがある人なので、敷居が低い。
まとめ
ADHD診断までの一般的な流れを整理すると
- 違和感の蓄積期(保育園〜小学校低学年)— 担任からの指摘も気にかけておく
- 学校生活で問題顕在化(小学校入学後)— 子どもの自尊心が削られる前に動く
- スクールカウンセラーに相談(無料、すぐアクセス可)
- 小児科で相談 → 紹介状(療育センターの待機を短縮)
- 療育センター面談 → 医師診察(診断まで数ヶ月〜半年)
- 診断後の支援設計(通級・服薬・民間支援を組み合わせ)
道のりは長いですが、各ステップに支えてくれる人がいます。一人で抱え込まず、まずは身近な相談窓口から動き出してみてください。
「学校の外で得意を伸ばせる場」を探している方は、民間の習い事から始める選択肢もあります。


