感覚過敏のチェックリスト|診断テストの前に家庭で見てほしいこと、大人の私が気づいたこと
「うちの子、感覚過敏かも」と思ったときに使えるチェックリストを、子ども向け・大人向けに分けてまとめました。診断テストとの違い、感覚過敏があっても発達障害とは限らないこと、相談先の目安まで、感覚過敏のある息子を育てるADHD当事者の母がお伝えします。
息子が服のタグを「痛い」と言って着替えを嫌がっていた頃、最初はわがままだと思っていました。
「感覚過敏」という言葉を知って検索したのが、すべての始まりでした。
「感覚過敏 チェックリスト」「感覚過敏 診断テスト」と検索しているということは、いま目の前のお子さんの様子に、何か引っかかりを感じているのだと思います。
うちの息子(小4・ADHDとASD併存)には感覚過敏があります。
そして実は、私自身も音やにおいに敏感なところがあって、大人になってから「あれもそうだったのか」と気づいたひとりです。
この記事では、当時の私が欲しかった形で、家庭でそのまま使えるチェックリストと、チェックしたあとにどう動けばいいかをまとめますね。
感覚過敏とは|五感別によくあるサイン
感覚過敏は、音・光・におい・味・肌ざわりなどの刺激を、まわりの人よりずっと強く感じてしまう状態のことです。
病気の名前ではなく、「感じ方の特性」を表す言葉として使われています。
本人の性格やわがままではなく、生まれ持った感じ方の違いなんですよね。
よくあるサインを五感別に並べると、こんな感じです。
- 聴覚:ざわざわした場所、掃除機、運動会のピストル音などが極端に苦手
- 触覚:服のタグ、特定の素材、砂や粘土、歯みがきを嫌がる
- 味覚・嗅覚:においで食べられないものがある、給食の教室のにおいがつらい
- 視覚:強い日差しや蛍光灯をまぶしがる、人混みで疲れやすい
逆に、痛みや暑さに気づきにくい「感覚鈍麻(どんま)」という反対方向の特性もあって、同じ子に両方が混ざっていることもあります。
子どもの感覚過敏チェックリスト(家庭で見られる15項目)
ここからが本題のチェックリストです。
先にひとつだけお伝えしたいのですが、これは診断のためのものではなく、お子さんの様子を整理して、相談するときの材料にするためのリストです。
当てはまる数を数えて一喜一憂するものではないので、メモ代わりに気楽に見てみてくださいね。
音について
- 掃除機・ドライヤー・トイレのハンドドライヤーの音を怖がる、耳をふさぐ
- ざわざわした場所(スーパー・食堂・集会)で機嫌が悪くなる、疲れ果てる
- 運動会のピストル音や雷、花火など、大きな音が極端に苦手
- 誰かの咀嚼音や小さな物音を、うるさいと強く嫌がる
肌ざわり・触れるものについて
- 服のタグ、縫い目、特定の素材(チクチクする服)を嫌がる
- 靴下の縫い目やズレを何度も直す、裸足になりたがる
- 帽子・マスク・歯みがきなど、顔や頭に触れるものを嫌がる
- 手が汚れる遊び(砂・粘土・のり)を避ける
- 急に触られるとびくっとする、手をつなぐのを嫌がる
食べもの・においについて
- 食感やにおいを理由に食べられないものが多い(単なる好き嫌いより頑固)
- 給食の時間や、特定の場所のにおいをつらがる
- 新しい食べものを、ひと口も試そうとしない
光・見えるものについて
- 晴れた日にまぶしがって目を細める、外に出たがらない
- 人混みや情報の多い場所で、ぐったり疲れる
- テレビや照明のちらつきを気にする
うちの息子の場合は、1・2・3・5・10あたりがしっかり当てはまりました。
服のタグは「痛い」、教室のざわざわは「みんなの声がぜんぶ同じ大きさで聞こえる」なんだそうです。
この「ぜんぶ同じ大きさで聞こえる」を聞いたとき、頑張って我慢させる話ではないんだと、やっと腹落ちしました。
チェックのポイントは「数」より「困りごと」
大事なのは、いくつ当てはまるかよりも、そのせいで生活に困りごとが出ているかどうかです。
給食がほとんど食べられない、学校に行きたがらない、パニックになってしまう。
そういう「本人がつらそうな場面」があるなら、当てはまる数が少なくても相談する価値があると思います。
大人の感覚過敏チェックリスト(私自身のことでした)
「感覚過敏 チェックリスト」を調べる方の中には、大人になった自分のことが気になっている方も多いと思います。
私自身、ADHD当事者で、子どもの頃から音とにおいに敏感でした。
大人向けには、こんな項目が目安になります。
- カフェやオフィスのざわめきで、仕事や会話に集中できない
- 電車の中で、においが気になって場所を移動することがある
- 蛍光灯の下やパソコン作業で、人より早く疲れ果てる
- 服を買うとき、デザインより肌ざわりで選ばざるを得ない
- 冷蔵庫の音や時計の秒針など、小さな音が気になって眠れない
- 人混みに出た日は、どっと疲れて寝込むことがある
- 化粧品や柔軟剤のにおいで気分が悪くなる
- 「気にしすぎ」「大げさ」と言われてきたが、本当につらい
私は1・5・7が長年の悩みでした。
子どもの頃、教室のざわざわがしんどくて、休み時間にひとりで廊下に出ていたことをよく覚えています。
息子の「うるさい」は、昔の私の「うるさい」と同じだったんですよね。
親の自分にも当てはまって驚く方、けっこう多いと思います。
私は息子のことを調べているうちに、自分の生きづらさの正体にも名前がついた気がしました。
「感覚過敏の診断テスト」はあるの?
結論からいうと、「感覚過敏」という単独の診断名や、それだけを判定する公式の診断テストはありません。
感覚過敏は病名ではなく特性なので、「感覚過敏症」と診断される、という形にはならないんです。
ただし、医療機関や専門機関では、発達の相談・検査の一部として、感覚の偏りをくわしく見てもらえます。
問診や、感覚の感じ方についての質問紙(チェック式の評価)が使われることもあります。
ネット上のセルフチェックやこの記事のリストは、あくまで「相談に行くかどうかを考える入り口」の目安です。
セルフチェックの結果だけで「発達障害だ」「違う」と判断せず、気になるときは専門機関で相談するのが安心かなと思います。
感覚過敏があると発達障害?そうとは限りません
ここ、不安になりやすいところなので、ていねいに書きますね。
たしかに、ASD(自閉スペクトラム症)の診断基準の項目には、感覚刺激への過敏さ・鈍感さが含まれています。
発達障害のある子に感覚の偏りがよく見られるのは事実で、うちの息子もASD側の特性として感覚過敏があります。
でも、逆は必ずしも成り立ちません。
感覚過敏があるからといって、発達障害だと決まるわけではないんです。
- 生まれつき感受性が強いけれど、発達障害の診断には当てはまらない子
- 疲れやストレス、体調不良で、一時的に感覚が過敏になっている状態
- 環境の変化(進級・引っ越しなど)への緊張が、過敏さとして出ている場合
こうしたケースもあります。
だから、チェックリストに当てはまった段階で「発達障害かもしれない」と結論を急がなくて大丈夫です。
「この子は刺激を強く感じやすいんだな」とまず受け止めて、困りごとが続くようなら専門機関に相談する、という順番でいいと思います。
治し方はあるの?「治す」より「刺激を減らす」
「感覚過敏 治し方」と検索したくなる気持ち、すごくわかります。
ただ、いまのところ感覚過敏そのものを治す確立された方法はないとされています。
そして、これは声を大にして言いたいのですが、無理に慣れさせようとするのは逆効果になりやすいです。
「我慢して食べなさい」「これくらい平気でしょ」を続けると、不安が強まってかえって過敏さがつらくなったり、つらさを言えなくなったりします。
私も最初、タグを嫌がる息子に「気にしすぎだよ」と言ってしまっていたので、これは自戒を込めてです。
わが家でやってよかったのは、こんな工夫でした。
- 服のタグは買ったその日に全部切る(縫い目が痛い服は手放す)
- 苦手な食感のものは無理強いせず、食べられる形(味や調理法)を探す
- 音がつらい日は、静かな部屋でひとりになれる時間をつくる
- 行事の前は「どんな音がするか」を先に伝えて、見通しを持たせる
刺激そのものを減らすと、本人の余裕が戻ってきて、結果的にできることが増えていきました。
学校での具体的な支援(給食・体育・教室のざわざわ対策)は、別の記事にくわしくまとめています。

感覚過敏の小学生が学校で困ること — 給食・体育・ザワザワ問題への支援アイデア
感覚過敏の特性がある小学生が学校生活で直面する困りごと(給食・体育・教室の音)について、ASD併存の小4息子の体験をもとに、家庭と学校でできる支援アイデアをまとめました。
どこに相談する?受診の目安
「相談するほどかな」と迷ったときの目安は、さっきも触れた生活の中の困りごとが続いているかどうかです。
相談先は、いきなり病院でなくても大丈夫です。
- 園・学校:担任の先生、スクールカウンセラー、特別支援教育コーディネーター
- 自治体:保健センターや療育センターなどの発達相談(診断がなくても相談できるところが多いです)
- 医療機関:かかりつけの小児科から、必要に応じて児童精神科・発達外来へ
うちは学校のスクールカウンセラーへの相談から始まって、療育センターの発達相談につながりました。
チェックリストにメモした「具体的な場面」をそのまま持っていくと、口頭で説明するよりずっと伝わりやすいですよ。
大人の自分のことが気になる場合は、精神科・心療内科で発達特性ごと相談できます。
感覚の特性ごと受け止めてくれる場所があると、親子で楽になります
感覚過敏のある子にとって、「静かに座って我慢する場所」はそれだけで消耗します。
だからうちは、習い事だけは本人の感覚に合わせてくれる環境を選ぶようにしました。
息子が通っているLITALICOワンダーという、プログラミングやロボット製作を学べるIT×ものづくり教室は、ざわざわが苦手なことを最初に伝えたら、席の位置や休憩の取り方まで一緒に考えてくれました。
感覚過敏の子を「わがまま」と扱わない場所がひとつあるだけで、親のほうも息がしやすくなるんですよね。
無料体験があるので、環境が合うかどうかを見に行く場として使ってみるのもいいかなと思います。
まとめ:チェックリストは「責める道具」ではなく「伝える道具」
- 感覚過敏は病名ではなく、刺激を人より強く感じる特性のこと
- チェックリストは診断のためではなく、様子を整理して相談につなげるためのもの
- 当てはまる数より、生活に困りごとが出ているかどうかを見てみてください
- 感覚過敏があっても、発達障害とは限りません。結論を急がなくて大丈夫です
- 無理に慣れさせるより、刺激を減らす工夫が先。相談は学校や自治体の窓口からでも始められます
チェックリストを前にすると、「私の育て方のせいかも」と苦しくなる方もいるかもしれません。
でも、感覚の感じ方は育て方では変わりません。
このリストは自分を責める道具ではなく、「この子はこう感じている」を先生や専門家に伝えるための道具です。
タグを切ったあの日の息子の、ほっとした顔。
「わがまま」を疑ってしまった私が言うのだから、間違いないです。
気づいてもらえたこと自体が、お子さんにとっての最初の支援になると思います。


