通級と支援級はどっちがいい?ADHD・ASDの息子で私が迷った3つの判断軸【小4母の体験】
通級指導教室と特別支援学級、どちらを選べばいいのか。ADHDとASDのある小4息子を育てる母が、2つの制度の違いをわかりやすく整理し、就学相談で実際に迷った3つの判断軸と、わが家が通級を選んだ理由を正直にお伝えします。
先生から「通級か、支援級か、考えてみてください」と言われたとき、正直わたしは頭が真っ白になりました。
言葉は聞いたことがあっても、この二つがどう違って、うちの子にはどちらが合うのか、まったく判断がつかなかったからです。同じように「どっちがいいの」と検索してここにたどり着いた方も、多いのではないかなと思います。
わが家の息子は小4で、ADHDとASDを併せ持っています。小2から通級に通い続けていて、今のところやめる予定はありません。当時さんざん迷った経験から、二つの制度の違いと、わたしなりの判断のものさしを書いてみますね。わたし自身もADHD当事者なので、本人のしんどさも親の迷いも、どちらもよくわかるつもりです。
そもそも通級と支援級はどう違うのか
まず、いちばん大きな違いから整理してみます。
通級指導教室は、ふだんは通常の学級に在籍しながら、一部の時間だけ別の教室で個別や少人数の指導を受ける仕組みです。一日の大部分はみんなと同じ教室で過ごして、週に数時間だけ「苦手を支える時間」を取りに行くイメージですね。
いっぽう特別支援学級(支援級)は、少人数の固定した学級に在籍して、その子のペースに合わせた指導を受ける仕組みです。在籍そのものが支援級になるので、過ごす時間の中心が少人数の教室になります。
言葉だけだと分かりにくいので、わたしが当時ノートに書いて整理した表を載せておきますね。
| 通級指導教室 | 特別支援学級 | |
|---|---|---|
| 在籍する場所 | 通常の学級 | 支援学級 |
| 過ごす時間の中心 | ほとんど通常学級 | 少人数の支援学級 |
| 個別支援の量 | 週に数時間 | 日常的に手厚い |
| 学習の進み方 | 通常学級と同じ | その子に合わせて調整 |
ざっくり言うと、通常学級での生活が土台にあって一部を支えるのが通級、少人数の環境を土台にするのが支援級、という違いなのかなと思っています。
わたしは最初、「支援級のほうが手厚い=良い」と単純に考えていました。でも調べていくうちに、手厚さの度合いより「うちの子は、どこにいると一番安心して過ごせるか」で考えるほうが大事だと気づいたんです。
わが家が最初に迷ったこと
制度の違いはわかっても、「で、うちの子はどっち?」の答えはなかなか出ませんでした。
息子は、席を立ってしまったり、カッとなって手が出てしまったりすることが小1〜小2で続いていて、通常学級のペースについていくのがしんどそうに見える日もあれば、友だちと楽しそうに過ごせる日もあったんです。調子の波が大きいぶん、「大丈夫そう」とも「厳しいかも」とも、どちらにも見えてしまって。
親の欲目もあったと思います。「みんなと同じ教室にいさせてあげたい」という気持ちと、「無理をさせて自信をなくすほうがこわい」という気持ちが、毎晩交互にやってきました。
そんな中で、就学相談の先生や通級の先生に相談しながら、わたしが最終的に頼りにした判断軸が3つあります。
判断軸1:授業に、ある程度ついていけているか
一つ目は、学習面です。
通常学級の授業のスピードに、大きくは崩れずついていけているかを、まず見るようにしました。国語や算数の内容そのものより、「板書を写す」「今どこをやっているか把握する」といった、授業に乗るための土台の部分ですね。
わが家の息子は、興味のある単元だと驚くほど集中する一方、そうでない時間は15分ももたないタイプでした。ただ、テストの点数だけ見れば大きく落ちてはいなかったので、「学習面だけを理由に支援級にする段階ではないのかな」と考えました。
ここは学校の先生がいちばんよく見てくれている部分なので、面談で「授業中の様子はどうですか」と具体的に聞いてみると、家では見えない姿がわかって参考になりました。
判断軸2:一日の大半を通常学級で過ごせる情緒の安定があるか
二つ目は、気持ちの面です。
授業についていけるかどうかと同じくらい大事だったのが、教室という刺激の多い場所で、一日を通してある程度おだやかに過ごせそうかということでした。
息子は感覚過敏があって、大きな音や、ざわざわした雰囲気が苦手です。それでも人懐っこくて、友だちの輪の中にいたい気持ちが強い子でした。「一人だけ静かな環境じゃないとつぶれてしまう」というほどではなく、しんどい時間を支えてもらえれば、みんなの中でやっていけそうな様子が見えたんです。
この「支えがあれば通常学級でやっていけそう」という感触が、わが家が通級に傾いた大きな理由でした。もし一日中の刺激そのものが本人を追い詰めているようなら、支援級の落ち着いた環境のほうが合っていたと思います。
どちらが上ということはないんですよ。通常学級で伸びる子もいれば、少人数の安心できる環境でこそ力を出せる子もいます。大事なのは、その子が「安心して自分を出せる場所」がどこかを一緒に探すことです。
面談でこう言ってもらえて、「手厚いほうを選ばなきゃ」と気負っていた肩の力が、すっと抜けたのを覚えています。
判断軸3:子ども本人の気持ちと、自尊感情
三つ目は、本人の気持ちです。
学年が上がるにつれて、息子は「みんなと違う」ことに少しずつ敏感になっていきました。だからこそ、本人が「別の教室に行くこと」をどう受け止めるかは、無視できない大切な要素だと感じていました。
わが家は、通級を「苦手をなおしに行く場所」ではなく「自分のペースで力をつける場所」として本人に伝えるようにしました。実際に通ってみると、息子にとっては叱られない安心できる居場所になっていったようです。このあたりの変化は通級指導教室ってどんなところ?通って変わった3つのことに詳しく書いているので、よかったらあわせて読んでみてくださいね。
わたし自身も子どもの頃、自分だけ何かが違う感覚に居心地の悪さを覚えたタイプでした。だからこそ、選んだ場所を本人が「ここでよかった」と思えるかどうかを、いちばん大事にしたかったんです。
わが家が通級を選んだ理由
3つの判断軸をならべてみて、わが家は通級を選びました。
理由をひとことでまとめると、支えがあれば通常学級でやっていけそうで、本人もみんなの中にいたい気持ちが強かったからです。学習面で大きく崩れていなかったこと、しんどい時間だけ支えてもらえれば情緒も保てそうだったこと、この二つが後押しになりました。
もちろん、これはあくまで「わが家の息子の場合」です。同じADHD・ASDでも、一日中の刺激そのものがつらい子や、学習面でていねいなサポートが必要な子には、支援級のほうが安心できる土台になります。どちらが優れているという話ではなく、その子がどこにいると一番自分を出せるか、という視点で選ぶのがいいのかなと、今は思っています。
迷ったときは、一人で抱えこまずに就学相談を使ってみてくださいね。専門の先生が、家庭や学校とは違う角度から一緒に考えてくれます。わが家も、あの場で話を聞いてもらえたことで、ずいぶん気持ちが整理できました。
通級・支援級で「苦手を支える」、その先に得意を伸ばす場所も
通級にしても支援級にしても、どちらも「学校生活で困らないための土台づくり」という位置づけだなと、通わせてみて感じています。
そのうえでわが家は、「苦手を支える場所」と「得意を伸ばす場所」を分けて考えるようにしました。学校ではどうしても注意される場面が多かった息子にとって、自分の好きなことで「できた」を積める場所が別にあると、気持ちの大きな支えになるんですね。
わが家がその得意を伸ばす場所として選んだのが、ものづくりやプログラミングを学べるリタリコワンダーです。発達特性のある子への理解がある環境で、息子は小3から通っています。通級や支援級とはまた違う形で、「ぼくはこれができる」という自信を育ててくれる居場所になっているなと感じています。
無理におすすめするものではないのですが、学校の中だけで自信を取り戻すのが難しいと感じている方は、こういう「好きを伸ばす場所」を一つ持っておくと、親子ともに気持ちが軽くなるかもしれません。無料体験もあるので、雰囲気だけのぞいてみるのもいいのかなと思います。
まとめ
通級と支援級のどちらを選ぶか、正解は一つではないなというのが、迷いぬいた末のわたしの実感です。
この3つを、就学相談や学校の先生と一緒に見ていくと、「うちの子はどっち」の輪郭が少しずつ見えてくるように思います。手厚さの度合いで比べるより、その子が安心して自分を出せる場所はどこか、という視点で選ぶと、選んだあとに親子で納得しやすいのかなと感じています。
迷っている今この時間も、お子さんのことを真剣に考えているからこそだと思います。焦らず、頼れる人に相談しながら、あなたとお子さんに合う場所が見つかりますように。


