通級とは?何をする場所?対象・時間・親が知りたいことを3年通った母がまとめました
通級とは何をする場所なのか、うちの子は対象になるのか、気になっている親御さんへ。ADHDとASDのある息子が通級に3年通う母が、通級による指導の対象・時間・内容、支援級との違い、申し込みの流れまで、体験を交えてやさしくまとめました。
「通級ってそもそも何をするところ?」から始まった
うちの息子(小4・ADHDとASD併存)が通級をすすめられたとき、私が最初に思ったのは「通級って、そもそも何をするところなんだろう」でした。
言葉は聞いたことがあるのに、中身がまったく想像できなくて。
授業を抜けて大丈夫なのか、勉強が遅れないのか、そんな心配ばかりが浮かんでいました。
同じところで立ち止まっている親御さん、多いんじゃないかなと思います。
この記事では、当時の私が知りたかったことを、通級に3年通ってきた今の視点で順番に整理してみますね。
通級とは:ふだんは通常学級、一部の時間だけ別室で特別な指導を受ける仕組み
通級とは、正式には「通級による指導」といいます。
かんたんにいうと、ふだんは通常の学級で過ごしながら、一部の時間だけ別の教室に通って、その子の困りごとに合わせた特別な指導を受ける仕組みのことです。
その指導を受ける教室のことを、「通級指導教室」と呼びます。
大事なのは、通級は「クラスが変わる」わけではないという点です。
在籍はあくまで通常学級のまま。
国語や算数などの多くの授業はみんなと同じ教室で受けて、決まった時間だけ通級に行って戻ってくる、というイメージです。
「授業を抜ける」と聞くと不安になりますよね。
でもうちの場合は、抜けた分の遅れよりも、通級で気持ちが落ち着いて教室にいられる時間が増えたことのほうが、ずっと大きかったです。
通級では、実際に何をするの?
いちばん気になるのが、ここだと思います。
通級で行うのは、教科の勉強そのものというより、「自立活動」と呼ばれる、その子が生活や学習をしやすくなるための練習が中心です。
たとえば、こんなことに取り組みます。
- 気持ちが高ぶったときの、自分なりの落ち着かせ方を知る
- 友だちとのやりとり(かして、いれて、順番を待つ)を練習する
- 見通しの立て方や、切り替えの工夫を一緒に考える
- その子のペースに合わせて、苦手な学習を少し補う
うちの息子は、通級で「イライラしたら、まず深呼吸してその場を少し離れる」という自分用の作戦を、先生と一緒に作ってきました。
家で私が百回言うより、通級の落ち着いた場所で、少人数で練習したことのほうが身についた気がします。
内容はその子に合わせて個別に決まるので、同じ通級でも、通う子によってやることはずいぶん違います。
通級の対象になるのは、どんな子?
通級の対象は、通常学級での学習におおむね参加できるけれど、一部に特別な支援があるとより力を発揮できる子とされています。
具体的には、次のような障害が対象になります。
- 言語障害
- 自閉症(ASD)
- 情緒障害
- 弱視・難聴
- 学習障害(LD)
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 肢体不自由、病弱・身体虚弱 など
ADHDやASDのある子は、通級の対象に含まれています。
一方で、知的障害がある場合は、通級ではなく特別支援学級や特別支援学校での支援が基本とされていることが多いです。
ただ、これはあくまで大枠の話で、最終的にどの支援が合うかは、お子さんの様子をもとに学校や教育委員会と相談して決まっていきます。
週にどれくらい通うの?
通う頻度も、気になるところですよね。
通級による指導の時間は、おおよそ週に1〜8時間程度(年間35〜280単位時間ほど)が目安とされています。
そのなかでも、LDやADHDのある子の場合は、月1回程度から週数回まで、その子に必要な分に調整されることが多いです。
うちの息子は、今は週に1回、1コマ分だけ通っています。
最初は「たった週1回で変わるのかな」と思っていたのですが、その1回が本人にとっての「息継ぎ」みたいな時間になっていて、思っていた以上に効いている実感があります。
支援級(特別支援学級)とは、何が違うの?
通級とよく混同されるのが、支援級(特別支援学級)です。
ざっくり分けると、こういう違いがあります。
- 通級:在籍は通常学級。多くの時間をみんなと過ごし、一部だけ別室で指導を受ける
- 支援級:在籍そのものが支援級。少人数のクラスで、その子のペースに合わせて日々を過ごす
どちらが上、ということではありません。
みんなと過ごす時間を多くしたいのか、日常的に手厚い環境で安心して過ごしたいのか、その子に合うほうを選ぶ、というイメージです。
通級と支援級で迷ったときの考え方は、別の記事でも私の体験を交えて書いているので、よければあわせて読んでみてくださいね。
通い始めるまでの、だいたいの流れ
自治体によって細かい手順は変わりますが、だいたいこんな流れで進むことが多いです。
- 担任の先生や、学校の特別支援コーディネーターに相談する
- 学校での様子の観察や、必要に応じて教育相談・就学相談を受ける
- 教育委員会などで、通級が適切かどうかの判断が行われる
- 通う教室や曜日・時間を決めて、通級がスタートする
自分の学校に通級指導教室がない場合は、近くの学校の通級に通う「他校通級」という形になることもあります。
「何から動けばいいの」と迷ったら、まずは担任の先生に「最近、家でこんな困りごとがあって」と話してみるところからで大丈夫です。
私も、うまく説明できる自信がないまま相談に行きましたが、そこから一つずつ進んでいきました。
通級と、家庭の外の学びの場を組み合わせるという選択
通級は学校の中の支援なので、内容は学校生活や集団での過ごし方が中心になります。
一方で、うちの息子のように「好きなことなら集中できる」タイプの子には、学校の外に本人が夢中になれる場所があると、通級で育てた自信をさらに伸ばしやすいと感じています。
わが家では、通級と並行して、発達に特性のある子の受け入れに慣れた習い事にも通っています。
そこでは「みんなと同じにできるか」ではなく、本人の「やってみたい」からスタートできるので、通級とはまた違う形で息子の居場所になっています。
まとめ:通級は「みんなと過ごしながら、少しだけ手を借りる」場所
最後に、この記事の要点をまとめますね。
- 通級とは、通常学級に在籍しながら、一部の時間だけ別室で特別な指導を受ける仕組み
- 内容は教科の勉強というより、気持ちの整え方や人とのやりとりなど「自立活動」が中心
- ADHDやASDのある子は対象に含まれる(知的障害がある場合は支援級などが基本)
- 通う時間は週1〜8時間程度が目安で、その子に合わせて調整される
- 支援級とは「在籍がどこか」が大きな違いで、どちらが上ということはない
通級は、クラスを変えることでも、特別扱いすることでもなくて、みんなと過ごす時間を大事にしながら、必要なところだけそっと手を借りる場所だと、3年通った今は思っています。
うちの子はどうかな、と気になった方は、まずは学校や教育相談の窓口に、今の困りごとを話してみるところから始めてみるといいかもしれません。


