就学相談とは?いつ・誰に・何を相談するのか。受けないまま入学した私が今思うこと
就学相談とは何をするのか、いつから始まるのか、診断がなくても受けられるのか。ADHDとASDのある息子を育てるADHD当事者の母が、就学相談を受けないまま入学した経験もふくめて、流れ・時期・準備をやさしく整理しました。
「就学相談」という言葉を知らないまま、年長が終わりました
先に正直に書いておきますね。
わが家は就学相談を受けないまま、息子を小学校に入学させました。
年長のころ、保育園から気になる点を伝えられてはいたのですが、当時の私は「就学相談」という制度そのものを知らなかったんです。
診断がついたのは、入学してからの小1の秋。
通級指導教室に通いはじめたのは、そのあとの小2からでした。
だからこの記事は、「就学相談を上手に使いこなした母の体験談」ではありません。
知らないまま入学して、あとから支援につながった側の話です。
同じように「聞いたことはあるけど中身がわからない」という方に、当時の私が知りたかったことを順番に並べてみますね。
就学相談とは:入学先や必要な支援を、教育委員会と一緒に考える相談
就学相談とは、小学校や中学校への入学にあたって、その子に合った学びの場や必要な支援を、市区町村の教育委員会と保護者が一緒に考えるための相談のことです。
自治体によっては「就学支援相談」「教育相談」などと呼ばれることもあります。
イメージとしては、「振り分けられる場」ではなく「一緒に考える場」に近いです。
話し合いの対象になるのは、たとえばこんな学びの場です。
- 通常の学級
- 通常の学級+通級による指導
- 特別支援学級
- 特別支援学校
「相談したら支援学級にされてしまうのでは」と身構えてしまう方もいると思うんです。
私も当時その言葉を知っていたら、たぶん同じように怖がっていました。
でも実際は、通常の学級で過ごす前提の子も含めて、幅広く相談できる場だと知って、少し肩の力が抜けました。
なお、就学先の決定については、本人と保護者の意向を最大限に尊重したうえで、教育委員会が総合的に判断して決めるという考え方が国の方針として示されています。
親の希望が一方的に無視される仕組みではない、という点は知っておくと安心材料になるかなと思います。
いつ始まって、いつ決まるの?
いちばん気になるのが、ここだと思います。
自治体差が大きいところなので幅をもたせた書き方になりますが、多くの地域では入学する前の年(年長さんの年)の春から動きはじめて、秋から冬にかけて方向が固まっていくという流れになっています。
おおまかには、こんなイメージです。
- 春から初夏ごろ:就学相談の案内が出る、申し込みの受付が始まる
- 夏ごろ:保護者との面談、園や家庭での様子の聞き取り
- 夏から秋ごろ:行動観察、必要に応じて発達検査
- 秋ごろ:就学時健康診断(多くの自治体で10月から11月ごろ)
- 秋から冬:就学先についての話し合い、方向の決定
- 年明け:入学の通知が届く
私がいちばん「知らなかった」と思ったのが、この時期のことでした。
年長の秋に気になりはじめても、その時点で今年度の受付が終わっていることがあるんですよね。
もし今、年少さんや年中さんで迷っている方がいたら、「相談するかどうか」を決める前に、日程だけ調べておくのがいちばん軽い一歩かなと思います。
就学相談では、実際に何をするの?
内容も自治体によって差がありますが、よくあるのは次のようなものです。
保護者との面談
いちばん中心になるのが、この面談です。
家庭での様子、困っていること、これまでに相談したことがあるか、どんな学校生活を望んでいるかなどを聞かれます。
うまく話せるか不安になりますが、きれいにまとめて話す必要はありません。
園での様子の聞き取り
保育園や幼稚園の先生から、集団の中での様子を聞き取ることが多いです。
家では見えない姿を、園の先生が言葉にしてくれる場でもあります。
行動観察
お子さん本人が、遊びや簡単な課題に取り組む様子を見てもらうものです。
テストのように点数がつくものではなく、どんな場面で力を発揮しやすいかを見る時間だと考えると気が楽かもしれません。
発達検査
必要に応じて、発達検査をすすめられることがあります。
すでに医療機関などで受けたことがある場合は、その結果を持参できることもあるので、聞いてみるといいかもしれません。
就学時健康診断
これは就学相談とは別の枠組みで、入学する前の年の秋ごろに、その地域のすべての子どもを対象に行われる健康診断です。
法律の上では入学する年度の初めから4か月前まで(つまり前の年の11月30日まで)に行うと定められていて、実際には10月から11月ごろに案内が届く地域が多いようです。
内科・歯科のほか、聞こえや見え方などを確認します。
ここでの様子をきっかけに、あらためて相談をすすめられることもあります。
診断がなくても、相談していいの?
これは、当時の私がいちばん引っかかっていたところでもあります。
結論からいうと、診断名がなくても相談できるのが一般的です。
就学相談で見ているのは診断名そのものではなく、その子が学校生活の中でどんなことに困りそうか、どんな支援があると力を出しやすいか、というところだからです。
- 診断はないけれど、集団に入るのがつらそう
- 切り替えが苦手で、園で毎日つまずいている
- 発語や理解の面で、ゆっくりさが気になっている
- 診断は受けているけれど、通常の学級で行きたいと思っている
こうした状態でも、多くの自治体では相談の対象になります。
「診断がないのに相談したら、大げさな親だと思われないかな」
私も、そういうことばかり気にしていました。
でもあとから思えば、迷っている段階でこそ相談していい場所だったんですよね。
わが家の場合:受けないまま入学して、小2から通級につながりました
ここからは、うまくいかなかった側の話です。
年長のとき、保育園の先生から「集団での切り替えが難しいときがある」と伝えられていました。
でも私は、就学相談という制度を知りませんでした。
なんとなく「小学校に上がれば落ち着くかもしれない」と思っていた部分もあります。
結果として、息子は通常の学級にそのまま入学しました。
小1の一年間は、席を立ってしまう、カッとなって手が出てしまう、という場面が続きました。
学校から連絡をもらうたびに、私は「私の育て方が悪かったんだろうか」と自分を責めていました。
小1の春から夏にかけてスクールカウンセラーに相談し、夏に療育センターを受診して、診断がついたのが小1の秋です。
そこから学校とやりとりをして、通級指導教室に通いはじめたのが小2からでした。
つまりわが家が相談の場につながったのは、入学前ではなく、入学したあとだったということになります。
通級に通うかどうかを決めるときには、あらためて学校や教育委員会と話し合う場がありました。
入学前に受けるはずだった相談を、一年遅れでやったような感覚でした。

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受けておけばよかったと思うこと
正直に書くと、あります。
いちばんは、小1の一年間、息子が「怒られる経験」を積み重ねてしまったことです。
支援が入るのが一年早ければ、息子が自分をダメな子だと思う回数は、もう少し減らせたかもしれません。
先に相談していれば、入学の時点で学校に情報が引き継がれて、先生の見方も違っていたかもしれないなと思います。
それでも、間に合わなかったわけではないこと
同時に、これも書いておきたいです。
就学相談を受けないまま入学しても、あとから支援につながる道はちゃんとありました。
通級は、入学後に学校や教育委員会とやりとりして通いはじめることができます。
息子はそのあと、小2から小5まで通級に通いました。
小1のころにくらべたら、カッとなったときに自分から離れる、という作戦を使えるようになりました。
だから、もし今「もう年長の秋なのに、何もしていない」と焦っている方がいても、そこで終わりではないですよ、とお伝えしたいです。

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迷っている親御さんへ、3つの目安
「相談したほうがいいのかどうか、それ自体がわからない」というときのために、わが家の反省もふまえた目安を3つ挙げてみますね。
1. 園の先生から、一度でも気になる点を伝えられたか
家では見えなくても、集団の中で困っている子はいます。
園の先生からの言葉は、集団の中でのその子を知っている人からの、いちばん近い情報です。
一度でもそういう話が出ているなら、相談の日程だけでも調べる価値はあると思います。
2. 入学後の生活を想像したときに、心配な場面が具体的に浮かぶか
「45分間すわっていられるかな」「困ったときに先生に言えるかな」
ぼんやりした不安ではなく、場面が具体的に浮かぶなら、それはもう相談の材料になっています。
その場面をそのまま話せば大丈夫です。
3. 相談したあとに、こちらから断ることもできると知っているか
就学相談を受けたからといって、その場で進路が確定するわけではありません。
話し合いを重ねる中で、家庭の意向を伝える機会があります。
「相談=決定」ではないと知っておくだけで、最初の一歩がずいぶん軽くなるように思います。
私自身もADHDがあって、書類や締め切りを見落としやすいタイプです。
だから「調べなきゃ」と思いながら年長の一年が過ぎてしまう気持ちは、本当によくわかります。
もし今日ひとつだけやるとしたら、自治体のサイトで「就学相談」と検索してみるくらいで十分だと思いますよ。
まとめ
- 就学相談とは、入学先や必要な支援を教育委員会と一緒に考える相談のこと
- 多くの地域では入学の前の年の春に動きはじめ、秋から冬に方向が決まる
- 申し込みの受付が春から初夏で締め切られる自治体もあるので、日程だけ先に確認しておくと安心
- 診断名がなくても相談できるのが一般的
- わが家は受けないまま入学して、小1の秋に診断、小2から通級につながった
- 受けなかった場合でも、入学後に支援につながる道は残されている
就学相談は、その子の困りごとを申告する場というより、その子が安心して過ごせる場所を大人みんなで探すための時間なのかなと、今は思っています。
わが家のように出遅れても、道は続いていました。
どうか一人で抱えこまずに、園でも学校でも自治体の窓口でも、話せそうなところから声をかけてみてくださいね。


