特別支援学級とは?対象・人数・授業の中身を、通級を選んだ母が調べてまとめました
特別支援学級とは何をする場所なのか、対象になるのはどんな子か、1クラスの人数や授業の中身はどうなっているのか。ADHDとASDのある息子を育てるADHD当事者の母が、通級を選んだ側の立場から、文部科学省の基準もふまえて整理しました。
「支援級」という言葉だけが、先に耳に入ってきました
息子に診断がついたのは小1の秋でした。
そのあと学校とやりとりをする中で、「支援級」という言葉だけが、意味もわからないまま耳に入ってくる時期がありました。
支援級ってどこにあるんだろう。
行ったら戻れないのかな。
そんなことばかり考えていたのを覚えています。
結論から書くと、わが家が選んだのは通級指導教室のほうでした。
なので、この記事は支援級に通わせている親の体験談ではありません。
「支援級ってなんだろう」と検索した側が、そのとき知りたかったことを順番に並べたものです。
制度のところは、文部科学省が示している基準をもとに書いています。
特別支援学級とは:学校の中に置かれる、少人数の学級のこと
特別支援学級とは、小学校や中学校の中に置くことができる、障害のある子のための少人数の学級のことです。
学校教育法の第81条第2項が根拠になっていて、通っている学校の中に教室があります。
ここが最初に安心したところなのですが、特別支援学校とはちがう場所です。
特別支援学校は独立した学校なので、転校のような形になります。
特別支援学級は、今の学校に在籍したまま、校内の別の教室で学ぶ形です。
学校によっては「なかよし学級」「ひまわり学級」のような名前がついていることもあります。
私は最初、支援級と支援学校の区別すらついていませんでした。
「支援級になったら、この学校ではなくなるの?」と本気で心配していたんです。
同じ学校の中の教室だと知ったとき、正直、ずいぶん気持ちが軽くなりました。
対象になるのは、どんな状態の子か
文部科学省の通知(平成25年10月4日 25文科初第756号)では、特別支援学級の対象として次の区分が示されています。
- 知的障害
- 肢体不自由
- 病弱・身体虚弱
- 弱視
- 難聴
- 言語障害
- 自閉症・情緒障害
発達障害のある子にかかわってくるのは、多くの場合いちばん下の「自閉症・情緒障害」の区分です。
この区分について通知では、他人との関係づくりがうまくいかず日常生活に支障がある状態や、選択性かん黙などがあって社会生活への適応が難しい状態、といった説明がされています。
ここで大事だなと思ったのは、診断名そのものではなく、日常でどれくらい困っているかで見られているという点でした。
同じADHDという診断でも、通常の学級で過ごせる子もいれば、支援級のほうが合う子もいる、ということになります。
1クラスの人数は、8人が上限の目安
支援級のイメージがつかみにくかったので、私がいちばん知りたかったのが人数でした。
公立の小中学校の場合、特別支援学級の1学級は8人が標準とされています。
これは学級編制の基準を定めた法律で決まっているもので、実際の在籍数は学校によってもっと少ないこともあります。
通常の学級が35人前後であることを考えると、かなり手厚い人数です。
しかも同じ学級の中に、学年のちがう子が一緒にいることも多いそうです。
8人と聞いたとき、正直「うらやましい」と思ってしまいました。
息子は35人の教室のざわざわが本当に苦手で、それだけで一日の体力を使い切っていたので。
人数が少ないというだけで救われる子は、確実にいると思います。
授業の中身:その子に合わせて組み替えることができます
特別支援学級では、通常の学級と同じ内容をそのまま受けるとはかぎりません。
学校教育法施行規則にもとづいて、特に必要がある場合には「特別の教育課程」を組むことができるようになっています。
具体的には、こんな組み替えができます。
- 下の学年の教科の目標や内容に置きかえる
- 知的障害のある子の場合、知的障害特別支援学校の教科に置きかえる
- 自立活動という時間を取り入れる
自立活動というのは、その子の困りごとに直接向き合う時間のことです。
気持ちの切り替え方を練習したり、人とのやりとりの練習をしたり、内容はその子によって変わります。
学年の進度に合わせるのではなく、その子の今に合わせられるのが、いちばん大きなちがいだと感じました。
また、支援級に在籍しながら、音楽や体育、給食などの時間は通常の学級で過ごす「交流及び共同学習」という形をとっている学校も多いです。
まるごと分かれてしまうわけではない、というのは、知っておくと気持ちがちがう部分かもしれません。

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通常の学級・通級・支援級のちがいを、ざっくり並べると
言葉が似ていて混乱しやすいので、在籍がどこになるかで並べてみますね。
通常の学級
在籍は通常の学級です。
支援が必要な場面では、担任の先生の配慮や、支援員の方のサポートを受けながら過ごします。
通級による指導
在籍は通常の学級のままです。
週に何時間か、別の教室で個別または少人数の指導を受けます。
通知では、通常の学級での学習におおむね参加できて、一部だけ特別な指導が必要な程度、という説明がされています。
特別支援学級
在籍が特別支援学級そのものになります。
生活の基本の場が少人数の教室になり、必要に応じて通常の学級と行き来します。
つまり、通級と支援級のいちばんのちがいは「どちらに籍を置くか」なんですよね。
ここが分かってから、私はようやく比較ができるようになりました。

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わが家が通級を選んだときに考えたこと
ここからは、制度の話ではなく、迷っていたときの正直な気持ちです。
息子の場合、勉強の内容そのものにはついていけていました。
つまずいていたのは、カッとなって手が出てしまうことと、切り替えの苦手さでした。
だから相談の場では、学習の場は今のままで、困っている部分だけ別に練習するという形が合うのではないか、という話になりました。
それで小2から通級に通いはじめて、そのあとも続けていました。
支援級のほうがよかったのでは、と思った時期もあります
小2から小3にかけて、教室でのトラブルが続いた時期がありました。
そのとき私は「もっと少ない人数のほうが、息子は穏やかにいられたんじゃないか」と何度も考えました。
今も、それが正解だったのかは分かりません。
ただ、どちらを選んでも「もう片方だったら」と考えてしまうのは、たぶんみんな同じなんだろうなと思うようになりました。
私自身もADHDがあって、選択肢が多いと固まってしまうタイプです。
支援級か通級かで検索を繰り返して、夜中にぐるぐるしていた時期もありました。
でも実際に決め手になったのは、検索の結果ではなくて、先生に「今いちばん困っているのは何ですか」と聞かれたことだったんですよね。
途中で変えられないわけではありません
これも当時の私が知らなかったことです。
在籍する学級は、入学のときに決めたらそのまま、というものではありません。
その子の様子を見ながら、学校や教育委員会と話し合って見直していく仕組みになっています。
支援級から通常の学級へ、通常の学級から支援級へ、どちらの方向もあります。
一度決めたら終わり、ではないと知っているだけで、決めるときの重さがずいぶん変わると思います。
迷っているときに見ておきたい3つのこと
1. 困っているのは、勉強なのか生活なのか
勉強の内容についていけないのか、それとも人との関わりや切り替えでつまずいているのか。
ここを分けて考えると、通級と支援級のどちらに近いかが少し見えてきます。
わが家の場合は後者だったので、通級という形になりました。
2. 実際の教室を見せてもらえるか聞いてみる
多くの学校では、見学や体験の相談に応じてもらえます。
想像で決めるより、実際にどんな雰囲気の教室なのかを見たほうが早いです。
私は通級の教室を見せてもらったとき、静かで物が少ないことに驚きました。
3. 本人がどう感じるか、を聞ける年齢か
低学年だと難しいこともありますが、小3、小4くらいになると本人の感覚がはっきりしてきます。
息子は「あの部屋は落ち着く」と言っていて、それが続けられた理由のひとつだったように思います。
まとめ
- 特別支援学級とは、今の学校の中に置かれる少人数の学級のこと(学校教育法第81条第2項)
- 対象は知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の区分
- 発達障害のある子は「自閉症・情緒障害」の区分にあたることが多い
- 公立の場合、1学級は8人が標準
- その子に合わせて特別の教育課程を組むことができ、交流の時間もある
- 通級との最大のちがいは、どちらに籍を置くか
- 在籍する学級は、あとから見直すこともできる
支援級か通級かで迷っていたとき、私はずっと「どちらが手厚いか」で比べようとしていました。
でも実際に相談してみて分かったのは、比べるのは手厚さではなくて、その子が一日をどこで過ごすと楽なのか、ということでした。
今まさに調べている方も、どうか一人で結論を出そうとしないでくださいね。
学校の先生でも、通っている園でも、自治体の窓口でも、話せそうなところから聞いてみるのがいちばん早かったです。


