発達障害の子の友達トラブル|「ぼくは悪くない」と言い張る息子に、「どっちが正しい?」を聞くのをやめた話
遊ぶたびに友達とぶつかってしまう。話を聞くと「ぼくは悪くない」の一点張り。発達障害のある子の友達トラブルで、親がつい「どっちが悪いの?」と聞いてしまう気持ちと、「正しさ」より「また一緒に遊べること」をゴールにしてみた関わり方を、ADHD当事者の母がまとめました。
遊んでいると、どうしても友達とぶつかってしまう。
帰ってきて話を聞くと、息子は「自分は悪くない」の一点張り。
私もつい、「で、どっちが悪かったの?」と聞いてしまっていました。
うちの息子はADHDとASDが併存しています。
人懐っこくて、初めての子ともすぐ打ち解けるタイプです。
でも、カッとなりやすいところがあって、遊んでいるうちに友達と衝突してしまうことがあります。
友達と遊びたい気持ちは、人一倍あるんです。
だからこそ、ぶつかって帰ってくる息子を見るのは、親としてもしんどいものがあります。
この記事では、友達トラブルが続いたときに私が考えたこと、やめてみたこと、意識していることをまとめておきます。
発達障害のある子が、友達とぶつかりやすい理由
友達とのトラブルは、どの子にもあることです。
ただ、発達障害のある子の場合は、特性が重なってぶつかりやすくなることがあると言われています。
ADHDの衝動性があると、順番を待つなどのルールが分かっていても、その通りに動けなかったり、思ったことをそのまま口にしてしまったりすることがあります。
それが、友達とのトラブルにつながる場合もあるそうです。
ASDのある子の場合は、相手の気持ちや場の空気のような、あいまいなことを読み取るのが苦手なことがあります。
ルールや勝ち負けへのこだわりが強くて、一番になれないと相手とトラブルになってしまう子もいるようです。
うちの息子の場合は、どちらも少しずつ当てはまるように思います。
ただ、どの特性がどのくらい出るかは子どもによってちがうので、「発達障害だからこう」と決めつけずに、わが子の場合はどんな場面でぶつかりやすいかを見ていくのがいいかなと思います。
カッとなる衝動性そのものとの付き合い方は、別の記事にまとめています。

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「ぼくは悪くない」と言い張る息子
息子が友達とぶつかったあと、話を聞いてみて気づいたことがあります。
息子は、「どっちが正しいか」に、ものすごく目が向いているんです。
相手がルールを守らなかった、先にやってきたのは向こうだ、だから自分は悪くない。
息子の中では、筋が通っているんですよね。
そして私も、気づけば同じ土俵に乗っていました。
「どっちが先に手を出したの?」「それはあなたも悪いよね」
息子の話を聞きながら、どっちが悪いのかを判定しようとしていたんです。
でも、それをやると、息子はますます「自分は悪くない」を固めていきます。
正しさの話をしているかぎり、どちらかが負けるしかないので、当然なのかもしれません。
本当は、また一緒に遊びたいだけ
どうしたらいいのか分からなくて、モヤモヤを書き出していたときに、ふと気づいたことがありました。
息子は、友達に勝ちたいわけではないんですよね。
本当は、友達と関わりたい、一緒に遊びたいだけなんです。
それなら、ゴールは「どっちが正しいか」ではなくて、「また一緒に遊べること」のほうなんじゃないか。
そう思ってから、話の聞き方を少し変えてみることにしました。
「どっちが正しい?」の代わりに聞いていること
1. まずは「そうだったんだね」で受け止める
ぶつかって帰ってきた直後は、息子もまだ気持ちが落ち着いていません。
ここでアドバイスをすると、責められているように感じてしまうようです。
最初は「そうだったんだね」「悔しかったんだね」と、気持ちを受け止めるだけにしています。
正直に言うと、これがいちばん難しいです。
私自身もADHDで、カッとなりやすいところがあるので、つい口をはさみたくなってしまうんですよね。
2. 「相手はどう思ったと思う?」と聞いてみる
少し落ち着いてから、「相手の子は、どう思ってたと思う?」と聞いてみます。
息子の言い分を否定するのではなく、相手の側から見たらどうだったかを想像するきっかけになればいいなと思っています。
すぐには答えが出ないこともありますし、それでいいと思っています。
3. 「正しいこと」と「仲良く遊ぶこと」、どっちがいい?
息子が「でも、ぼくは間違ってない」と言うときは、こう聞いてみることがあります。
「正しいって分かってもらうのと、明日も一緒に遊ぶの、どっちがいい?」
息子の正しさは、否定しなくていいと思っています。
そのうえで、目の前のゴールを「関係を続けること」に置き直すための質問です。
4. 謝ることは「負け」じゃないと伝える
「自分は悪くない」と強く思っている子にとって、謝ることは負けを認めることに感じるのかもしれません。
だから、謝ることの意味を言い換えて伝えるようにしています。
「謝るのは、自分がダメって認めることじゃなくて、この友達を大事にしてるよっていう合図なんだよ」
理屈で納得したいタイプの子には、気持ちの話よりも、こういう「理由」のほうが入りやすいこともあるようです。
「やられたらやり返せ」と言われてモヤモヤした話
友達トラブルの話をしていると、ほかの親御さんから「うちは、やられたらやり返せって教えてるんだけどね」という言葉を聞くことがあります。
その考え方も、ひとつの考え方だと思います。
でも、聞くたびに私はモヤモヤしてしまいます。
息子が小1から小2の頃は、カッとなって手が出てしまうことがあって、学校から連絡が来ることが続いていました。
そのたびに、相手のおうちに謝りに行っていた時期があります。
本当にやり返してしまう子の子育ての大変さは、やり返さない子の親からは、なかなか見えないのかもしれません。
だからこそ、うちでは「やり返す」ではなく、「言葉で伝える」「その場を離れる」「大人に言う」を、何度でも伝えていきたいと思っています。
学校や先生に相談するときは
友達トラブルが続くときは、家だけで抱えずに、学校に相談してみるのがおすすめです。
家で聞く話は、どうしても息子の側から見た話になります。
先生からは、家では見えない場面での様子を教えてもらえることがあります。
- どんな場面でぶつかりやすいか(休み時間、勝ち負けのある遊び、グループ活動など)
- ぶつかったあと、本人はどうしているか
- 家ではこんな声かけをしているので、学校でもそろえてもらえるとうれしいこと
多くの小学校には、スクールカウンセラーが来ている日があります。
来校日や相談のしかたは学校によってちがうので、担任の先生に聞いてみるといいかなと思います。
通級指導教室では、自分の気持ちを言葉で伝える練習など、人との関わり方を学ぶ時間がある場合もあります。

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「関係を続ける」は、親にとっても練習中
正しいかどうかで物事を見てしまうのは、息子だけではありません。
私も、子育てのなかで「どっちが正しいか」で考えてしまうことがよくあります。
だから、息子に「関係を続けることがゴールだよ」と伝えるのは、私自身への練習でもあるのかなと思っています。
すぐに変わるものではないですし、また明日もぶつかって帰ってくるかもしれません。
それでも、友達と遊びたいという息子の気持ちは、ずっと大事にしてあげたいです。
まとめ
- 発達障害のある子は、衝動性や、あいまいなことを読み取る苦手さなどが重なって、友達とぶつかりやすいことがあります
- 「ぼくは悪くない」と言い張るのは、「どっちが正しいか」に目が向いているからかもしれません
- 親が「どっちが悪いの?」と判定しようとすると、子どもはますます自分の正しさを固めてしまいがちです
- 本当は友達と遊びたいだけなら、ゴールを「また一緒に遊べること」に置き直してみるのもひとつの方法です
- 謝ることは「負け」ではなく、「相手を大事にしている合図」と伝えると、受け取りやすい子もいます
- トラブルが続くときは、担任の先生やスクールカウンセラーに相談して、学校での様子も教えてもらうと安心です
友達とぶつかって帰ってくる日は、親のほうも落ち込みます。
でも、ぶつかるのは、それだけ友達と関わろうとしているからでもあるんですよね。
そう思いながら、今日も「そうだったんだね」から話を聞いてみようと思います。


