発達障害のある子の「カッとなる」衝動性をどう支えるか — 通級2年で見えた工夫
小1〜小2の頃に席立ち・手が出る・トラブルが続いた発達障害のある子の息子が、通級指導教室2年でどう変わったのか。衝動性の根っこと家庭でできる支え方を実体験ベースでまとめました。
「カッとなって手が出ちゃった」の頃
うちの息子(小4・ADHDとASD併存)はカッとなりやすく衝動的なタイプ。小1〜小2の頃は、感情のスイッチが急に入って手が出てしまう、席を立つ、教室を飛び出す、というトラブルが多かったんです。
ADHDの衝動性と、ASD側の感情の急なスイッチ。両方が乗ると、子ども本人も「自分でも止められない」状態になります。
実はわたし自身もADHD当事者で、子どもの頃は同じように衝動的でした。「あの瞬間の止められなさ」が分かるからこそ、息子の苦しさにも寄り添える部分があります。
この記事では、息子の衝動性が小4の今、ある程度コントロールできるようになるまでに何があったのかを記録します。
衝動性の「あるある」困りごと
うちの息子の場合、こんな場面で出ていました。
これらは「悪気がある」のではなく、衝動が止まらない状態です。本人は事後に「やっちゃった…」と落ち込むことが多いです。
「カッとなる」スイッチの仕組み
衝動性が強い子のスイッチは、こんな構造になっていることが多いです。
ステップ1:きっかけ刺激
- 友達に何か言われた
- 思い通りにいかなかった
- 急な予定変更
- 感覚的な不快(うるさい・暑い)
ステップ2:感情の急上昇
定型の子なら「ムッとする→落ち着く」のグラデーションがあります。
衝動性の強い子は「ムッとする=即爆発」でグラデーションがほぼない。0から100まで一瞬です。
ステップ3:行動の暴走
爆発した感情がそのまま言葉や手として出ます。本人の脳の中で「考える」プロセスが追いつかない状態。
ステップ4:事後の自己嫌悪
爆発が落ち着くと「やっちゃった…」と自己嫌悪。「ぼくはダメな子」に直結しやすく、自己肯定感を削ります。
通級指導教室で学んだ対処スキル
息子は小2から通級指導教室に通っています。通級についてはこちらの記事で詳しく書いています。
通級で繰り返し練習したことを紹介します。
スキル1:自分の「あったか・つめたい」を知る
通級では感情温度計のような視覚化ツールを使って、自分の感情の状態を把握する練習をしました。
「いま自分は青(落ち着いてる)」「黄色(ちょっとイライラ)」「赤(爆発寸前)」を本人が言葉にできるようになると、爆発前にブレーキを入れる余地が出てきます。
スキル2:「6秒ルール」
カッとなった瞬間に6秒待てれば、感情のピークは過ぎる、と通級で教わったそうです。
息子の場合は最初6秒も待てなかったので、「3秒数えてから動く」からスタート。今は5〜6秒待てるようになってきました。
スキル3:「クールダウン場所」を持つ
爆発しそうな時にその場を離れるスキルを練習しました。
教室では「先生に言って廊下に出る」「クールダウンスペースに移動する」など、合法的な離脱ルートを本人と先生で決めておきます。
スキル4:「言葉で言う」練習
手が出る前に「言葉で気持ちを伝える」ロールプレイを通級で繰り返しました。
「いやだ」「やめて」「順番に」など、シンプルなフレーズを反射的に出せるレベルまで練習することで、手より口が先に出るようになります。

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授業中に席を立つ、集中が続かない。そんなわが子をリタリコワンダー(IT・ものづくり教室)に通わせて見えた、「得意」を伸ばすという選択肢の現実を、親のリアルな視点でお伝えします。
家庭でできる衝動性のサポート
通級だけに頼らず、家庭での関わりも大事です。
サポート1:爆発した時の「収め方」を統一
夫婦で対応をそろえるようにしました。
- 爆発中は説教しない
- 物理的に距離を取る
- 落ち着いてから振り返る
- 「ダメだった行動」と「本人の人格」を分けて話す
夫婦で対応がブレると、子どもは混乱します。
サポート2:きっかけ刺激を減らす
爆発の前段になる刺激を減らす工夫もしています。
- 疲れている時は予定を入れない
- 空腹は爆発の引き金になりやすいので軽食を用意
- うるさい場所は短時間で切り上げる
- 「予定変更」は早めに伝える
「爆発してから対処」より「爆発しない環境を作る」方が消耗が少ないです。
サポート3:成功体験を積む場所を持つ
衝動性が強い子は「叱られる経験」が積み重なって自己肯定感が低くなりがち。
だから、「叱られない時間」を意識的に作っています。リタリコワンダーは息子にとってその時間。プログラミングに集中している間は「衝動性が出にくい」状態が続くので、本人も「ぼく、できる」を実感しやすいです。
サポート4:親の感情管理も並行で
ADHD当事者のわたしもカッとなりやすいタイプ。息子と同じ周波数で爆発しないように、自分のクールダウンも意識しています。
「子どもの衝動性に、親が衝動的に反応する」のがいちばん家が荒れるので、親が一拍置くのはとても大事です。
衝動性は「悪」じゃない
衝動性って、「決断が早い」「行動力がある」「正直」の裏返しでもあります。
うちの息子は「やる!」と決めた瞬間に動けるのが強み。プログラミングでも、思いついたアイデアをすぐ形にする力につながっています。
「衝動性をなくす」のではなく、「衝動性と上手に付き合う」のが現実的だなと感じています。
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よくある質問
Q. 衝動性は治るの?
完全になくなる、というより本人がコントロールできる範囲が広がる感覚です。年齢とともにブレーキが効くようになる子は多いです。
Q. 薬で衝動性は抑えられる?
ADHDの薬で衝動性が落ち着く子はいます。主治医と相談しながら判断していくのがおすすめです。
Q. 学校でカッとなる時、担任にどう伝える?
具体的なきっかけと対処法をセットで伝えるとスムーズです。「○○の場面でカッとなりやすいので、△△の対応をお願いできますか」と。
Q. 兄弟げんかが激しい時は?
お互いを物理的に離すのが先決です。落ち着いてから、双方の気持ちを言語化する手伝いをすると、衝動性の練習にもなります。


