ADHDとASD併存の小4息子、思春期の入口で気をつけていること【母の実体験】
小4になって、かんしゃくの質が変わってきた。注意すると部屋にこもる、人前での声かけを嫌がる。ADHDとASD併存の息子の「思春期の入口」で、わたしが意識するようになった5つのことを、同じくADHD当事者の母の実体験でお伝えします。
小4になったあたりから、息子の様子が少し変わってきました。前はかんしゃくを起こしてもすぐに切り替えられていたのに、最近は注意すると黙って部屋にこもってしまう。人前で「ハンカチ持った?」と声をかけただけで、ものすごく嫌な顔をする。
「あれ、これってもう反抗期?」と戸惑いつつ、調べたり相談したりするうちに、小4ごろは「思春期の入口」と呼ばれる時期で、発達特性のある子は特に気持ちの波が大きく出やすいということを知りました。
この記事では、ADHDとASD併存の小4息子に実際に起きた変化と、わたしが気をつけるようになったことを、実体験ベースでお伝えします。同じように「最近ちょっと様子が変わってきたかも」と感じている方の参考になればうれしいです。
わたし自身もADHD当事者で、思春期のころは「なんで自分はうまくできないんだろう」とずっと思っていました。だからこそ、息子がこれから通る道を思うと、少し先回りして知っておきたいなと感じています。
「思春期の入口」って、いつから始まるの?
思春期というと中学生のイメージがありますが、心と体の変化はもっと早くから始まると言われています。小4〜小5ごろは「前思春期」と呼ばれ、自分と他人を比べたり、親より友だちの目を気にしたりし始める時期です。
発達特性のある子の場合、この時期の変化はさらに複雑になりやすいなと感じています。というのも、周りの子たちが急に「空気を読む」方向に成長していくなかで、息子はそのスピードについていきにくいからです。本人なりに「なんかうまくいかない」と感じる場面が増えて、その分、家での気持ちの爆発や落ち込みが大きくなる。わが家ではそんな流れがありました。
息子に起きた変化、こんな感じでした
具体的には、こんな変化がありました。
- 注意されると、言い返す代わりに黙って部屋にこもるようになった
- 人前(友だちや先生の前)での声かけを、極端に嫌がるようになった
- 「どうせぼくには無理」という言葉が、前より重たいトーンになった
- 一方で、甘えてくる日もあって、日によって波が大きい
とくに気になったのは、「怒り」に見えていたものの中身が、だんだん「恥ずかしさ」や「悔しさ」に変わってきたことです。低学年のころのかんしゃくは「思い通りにならない」が理由の中心でしたが、今は「みんなの前でできない自分を見られた」ことで崩れる。同じ癇癪でも、質が変わってきたなと感じました。
最初は今までと同じように「大丈夫だよ、気にしない気にしない」と声をかけて、余計にこじらせました。本人にとっては「気にしないでいられない」ことなのに、軽く扱われたと感じたみたいで。ここはわたしの失敗です。
気をつけていること①:注意の回数を「予算」で考える
ADHDのある子は、どうしても日常の中で注意される回数が多くなりがちです。思春期の入口では、この積み重ねが「自分はダメな人間だ」という自己イメージに変わりやすいと感じています。実際、息子の「どうせぼくには無理」という口ぐせは、注意が続いた週ほど増える気がしています。
そこでわが家では、注意を「予算」で考えるようにしました。1日に使える注意の回数には限りがある、と自分に課すイメージです。命や安全に関わること、人を傷つけることは迷わず注意する。でも「宿題まだ?」「脱いだ服そのまま」レベルは、1日に何度も言わない。注意の総量を減らすことが、この時期はしつけより大事だと割り切るようになりました。
気をつけていること②:人前で指摘しない
小4になった息子がいちばん嫌がるのが、友だちや先生の前での指摘・声かけです。以前は学校の昇降口で「上着忘れてるよ」と普通に声をかけていましたが、今は本人からすると「公開処刑」に近いようで。
なので、伝えたいことがあるときは、家に帰ってから、二人のときに短く伝えるようにしています。学校の先生にも面談のときに「人前で個別に注意されるのが苦手になってきたので、できれば後からそっと伝えてもらえると助かります」とお願いしました。恥ずかしさへの配慮は、この時期の信頼関係に直結するなと感じています。
気をつけていること③:気持ちの「実況中継」を手伝う
ASDのある息子は、自分の気持ちを言葉にするのが苦手です。イライラしているのは分かるけれど、本人も「なんでイライラしているのか」が分かっていないことが多い。思春期に入って気持ちが複雑になるほど、この「分からなさ」がしんどさになるようです。
だからわが家では、責めない形で気持ちの実況中継を手伝うようにしています。「悔しかったんだね」と決めつけるのではなく、「悔しいのと恥ずかしいの、どっちが近い?」と選択肢で聞くのがコツだなと感じています。選択肢があると、息子は「……恥ずかしいのほう」と答えられることが多いんです。言葉にできると、それだけで少し落ち着くみたいです。
気をつけていること④:家の外に「否定されない場所」を持つ
思春期の入口では、学校でうまくいかない日がどうしても増えます。だからこそ、学校でも家でもない「第三の場所」で、否定されずに過ごせる時間が息子の支えになっていると感じます。
わが家の場合、それが小3から通っているリタリコワンダーです。好きなプログラミングやものづくりを、本人のペースで進めさせてもらえるので、「学校では注意される子」ではなく「作品を作れる子」でいられる。学校で凹んだ週ほど、教室から出てくる顔が明るいのが印象的です。得意なことがある、認めてくれる大人が親以外にいる、というのは、思春期の自己肯定感の土台になるなと実感しています。
気をつけていること⑤:親のわたしが全部背負わない
最後は、子どもではなくわたし自身のことです。思春期の入口の対応は、正直、消耗します。丁寧に接しようと思っても、こちらも人間なので、疲れている日は言いすぎてしまう。わたし自身ADHDで感情の波もあるので、なおさらです。
でも、親が完璧に対応することより、こじれたあとに「さっきは言いすぎた、ごめんね」と修復できることのほうが大事だと思うようになりました。親子関係は一回の失敗では壊れません。むしろ、大人が謝る姿を見せられるのは、思春期に入る息子への何よりのモデルになるんじゃないかなと思っています。
通級の先生や特別支援コーディネーターなど、頼れる先は意外とあります。学校への相談の流れはこちらの記事にまとめているので、一人で抱えている方はぜひ読んでみてくださいね。

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まとめ
ADHDとASD併存の小4息子の「思春期の入口」で、わたしが気をつけていることを整理すると、こんな感じです。
- 注意の回数を「予算」で考えて、総量を減らす
- 人前で指摘しない。伝えるなら二人のときに短く
- 気持ちの言語化を、選択肢を出す形で手伝う
- 家と学校以外に「否定されない場所」を持つ
- 親が完璧を目指さない。こじれたら修復すればいい
思春期の入口は、子どもが「自分」を作り始めるサインでもあります。変化に戸惑う日も多いですが、関わり方を少しずつ「先回り」から「見守り」に切り替えていく練習期間なのかなと、今は受け止めています。同じ時期を過ごしている方と、ゆっくり一緒に進んでいけたらうれしいです。


